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犬のパルボウイルス感染症を治療する抗体医薬に纏わる動向

投稿者:武井 昭紘

あるタンパク質やペプチドに結合する抗体を製品化した、いわゆる抗体医薬が小動物臨床でも普及し始めている。具体的には、犬のアトピー性皮膚炎に対する抗体医薬は勿論こと、現在では、犬の変性性関節症に対するものまでリリースされているのだ。そして、この度、動物医薬品メーカーであるエランコ社が、次の抗体医薬の開発・製品化を目指すことを発表した。

なお、昨年の12月に公開された同社のプレスリリースによると、アメリカにおいて年間で25万匹の子犬が犠牲となっているパルボウイルス感染症に対する抗体医薬を開発するという。その主成分は、「KIND-030」と呼ばれるモノクローナル抗体。医療費が高くなりやすい同感染症の支持療法に代わる治療手段を、小動物臨床の現場に提供することが目的であるとのこと。

コロナ禍で急増するパルボウイルス感染症。医療費の高さから安楽死が選択されることも珍しくないパルボウイルス感染。KIND-030は、この現状を打破する起爆剤となるだろうか。これから生まれてくる子犬たちの健康を祈るとともに、1日でも早く、同薬が世界的に流通することを切に願っている。

Kindred Biosciences社と共同で開発していくとのことです。

 

参考ページ:

https://www.elanco.com/insights/elanco-announces-agreement-with-kindredbio


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