抗体医薬と聞けば、何をイメージするだろうか。おそらく、多くの獣医師が、犬のアトピー性皮膚炎を治療するロキベトマブ(商品名:サイトポイント)をイメージするのかも知れない。しかし、小動物臨床での活躍が期待される抗体医薬は、これだけではないのだ。何とヨーロッパでは、変性性関節症(osteoarthritis、OA)に伴う痛みを緩和する抗体医薬が存在しているのである。
なお、この製剤は、日本でも有名な動物用医薬品メーカーZoetis社がリリースしているもので、OAによる痛みを生み出す神経成長因子(Nerve Growth Factor、NGF)に結合するモノクローナル抗体が主成分だという。また、月1回の注射で、効果(痛みの緩和)が1ヶ月持続するとのこと。そして、同製剤はLibrela®と名付けられている。
果たして、Librela®は、副作用の懸念があるNSAIDなどの薬物療法に代わる選択肢の一つになるのか。今後、その可否を問う検証が行われ、痛みに苦しみQOLを低下させる罹患犬を救う治療薬として、Librela®が世界的に認められる日が訪れることを期待している。
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