イタリアのピサ大学の研究によると、新生仔(子犬)の体重は、胎盤と胎盤に分布する血管の面積、胎仔と血管で結ばれる胎盤の面積と正の相関関係にあるという。つまり、彼らの体重は何らかの要因によって左右されていると考えられるのだ。では、猫においても同様の現象が起きるのだろうか。
冒頭のような背景の中、チューリッヒ大学は、生後8ヶ月の子猫のBCSに着目して、それを左右するファクターについて調べる研究を行った。なお、同研究では、子猫の性別と体重の推移、母猫のBCS、同腹仔数が解析の対象となっている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆子猫の体重・体型に影響を与えるファクター◆
・過体重の子猫の体重は標準体型の子猫よりも早いスピードで増加していた
・メスはオスよりも約1ヶ月早くピークの体重を迎えた(6ヶ月齢前後)
・8ヶ月齢時点のBCSはオスおよび過体重の子猫でより高くなっていた
・同腹仔数と子猫のBCSは負の相関関係にあった
・出生時体重は1ヶ月における体重の増加割合と正の相関関係にあった
上記のことから、オスであること、出生時の体重が重いこと、子猫のBCSが高いこと、同腹仔数が少ないことは、生後8ヶ月の子猫のBCSを上昇させるファクターとなっていることが窺える。よって、該当する新生仔や子猫の世話をする場合は、BCSを常にチェックすることが望ましいと思われる。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35681836/