ニュース

海外 臨床

Dechra社が発売した犬専用の「てんかん」治療薬

投稿者:武井 昭紘

犬の「てんかん」の治療は日本でも海外でも注目が高く、様々な観点から薬物の安全性に関する議論や治療法の開発(関連記事1関連記事2)が行われている。その中で、フェノバルビタールおよび臭化カリウムは、犬の「てんかん」を治療する薬剤として、1900年代にも(長年に渡って)使用されてきた。しかし、両薬剤とも動物用医薬品としてリリースされた製品はなく、人体用医薬品を代用していることが現状である。

そこで、獣医療関連の製品を販売しているDechra社は、犬専用のフェノバルビタール錠としてSoliphenを開発および製品化したことを発表した。また、同社は犬専用の臭化カリウムであるLibromideもリリースしており、上記2つの薬剤を併用した臨床試験では、月平均27.4回のてんかん様発作を呈する症例において、2.2回/月まで発作の頻度を減少させることに成功したとしている。さらに、Dechra社は、SoliphenおよびLibromideを処方するためのガイドラインを作成して、より効果的に治療薬を使用できるように環境整備をしている(閲覧はサインインが必要)。

「てんかん」は、犬全体の0.62%が罹患する一般的な神経疾患である。今後も、多くの動物用医薬品が製品化され、「てんかん」の治療に関する選択肢が増えることを期待したい。また、臭化カリウムはFDAの承認を受けていない状況であるため、LibromideがFDAの承認を受けることとなれば、安全性が確保された臭化カリウムとして普及するかも知れない。

動物用医薬品は犬猫に投与しやすい薬剤として設計されているため、価格が高騰しなければ、普及していくのではないかと思います。

動物用医薬品は犬猫に投与しやすい薬剤として設計されているため、価格が高騰しなければ、普及していくのではないかと思います。

 

参考ページ:

http://www.dechra.co.uk/news/new-epilepsy-treatment-from-dechra?PID=5356&M=NewsV2&Action=1


コメントする