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Dog Directed Speechを進化させるかも知れない犬の脳科学

投稿者:武井 昭紘

犬に反応して欲しいと思った時、多くのヒトが「分かりやすく楽しさを誘う動き」や「地声よりも高い声」などを用いて気を引こうとするのではないだろうか。この時に遣われる声色やリズムは、乳児に話しかける優しい言葉に似ていることから、対乳児発話(Infant Directed Speech、IDS)に対応するとように、Dog Directed Speech(DDS)と呼ばれているのだが、残念ながら、この話し掛けは子犬のみが反応し、成犬・老犬が反応しない場合がある。故に、DDSは万能とは言えず、獣医療における犬のストレス軽減や家庭でのオーナーと愛犬のコミュニケーションを円滑化することを念頭に置くと、改善の余地が残されていると考えられる。

そこで、アメリカの大学らは、awake-fMRI(覚醒時MRI検査)にて、犬が反応する言葉の特徴を脳科学的に解析する研究を行った。すると、一部の犬は、聞き慣れた言葉よりも、普段は耳にしない奇妙で新しい言葉に良く反応し、脳の活性が高まることが明らかとなった。

上記のことから、本研究は、DDSの改定に有用な情報を提供したと思われる。よって、今後、「奇妙で新しい言葉」の何に反応しているのか、例えば、アクセント、発音、リズム、文字数などに着目して、詳細に分析されていくことに期待している。

ヒトと犬が一緒に仲良く遊ぶ時には、意図的に普段は遣わない単語で話かけると良いのかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnins.2018.00737/full


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