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ステージ4または5のリンパ腫を抱える犬を判別するためのCRPのカットオフ値

投稿者:武井 昭紘

C反応性タンパク質(C-reactive protein、CRP)は、非特異的ではあるものの高感度を誇る炎症マーカーとして認知されており、人医療では悪性腫瘍の挙動を予測する指標としても使用されている。そこで、疑問が浮かぶ。犬の悪性腫瘍においても、CRPは「指標」となり得るのだろうか。

冒頭のような背景の中、タイの大学らは、臨床上健康な犬とリンパ腫と診断された犬の血液サンプルを用いて、CRPを測定する研究を行った。なお、同研究では、リンパ腫のステージで罹患犬を①ステージIVとVの群、②ステージI~IIIの群の2つのグループに分けている。すると、②に比べて①のCRPは有意に高く、5.41mg/dLをカットオフ値に設定すると両群を判別できることが判明したという。

上記のことから、CRPは、犬のリンパ腫のステージを特定(挙動を予測)する指標になることが窺える。よって、今後、当該疾患のステージ分類にRPが組み込まれ、犬の腫瘍科診療が進化を遂げることに期待している。

本研究におけるリンパ腫のステージ分類は、世界保健機関 (WHO) の提唱するものが採用されております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36718344/


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