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ウサギの涙嚢炎に関与するリスクファクターを明らかにした研究

投稿者:武井 昭紘

ウサギの涙嚢炎は涙を一時的に溜める涙嚢の炎症で、様々な疾患をキッカケに発症することが知られている。また、ウサギには歯や耳の病気を患いやすい品種というものが存在しているとされているのだ。つまり、涙嚢炎の発症リスクを抱えたウサギには特徴があると考えられるのである。では一体、その特徴とは何であろうか。

 

冒頭のような背景の中、王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、特定の1.5次診療施設を訪れたウサギの診療記録(3年間分)を解析する研究を行った。すると、800匹以上のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。

◆ウサギの涙嚢炎に関与するリスクファクター◆
・約7%(55匹)のウサギに涙嚢炎が起きていた
・そのうち45%は歯、38%は呼吸器、23%は眼、13%は耳にトラブルを抱えていた
・ライオンヘッド(交雑種を含む)およびドワーフロップ(交雑種を含む)の発症リスクが高かった

 

上記のことから、冒頭で述べた仮説は正しいと言える。よって、今後、該当する品種を中心にしてウサギを飼育する世帯全般向けの、各種疾患の予防法と適切な飼育管理、そして涙嚢炎に気が付くためのチェックポイントを啓蒙するプログラムが作成され、当該疾患の治療が早期に取り組める社会が実現することを期待している。

イギリス獣医師会は、短頭種のウサギに歯、呼吸器、涙管のトラブルが起きやすいと訴えております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35841615/


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