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ペットフードが原因となって起きるヒトの病気のリスクに関する研究

投稿者:武井 昭紘

2019年7月、アメリカ疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)が、27州90件(最終的に150件以上)にも及ぶヒトのサルモネラ感染症について注意喚起をした。それによると、このアウトブレイクの原因は、何と犬用オヤツ(ブタの耳)だというのだ。果たして、これは珍しい現象なのだろうか。あるいは、アウトブレイクが発生しやすい、何らかのリスクファクターが潜んでいるのだろうか。それを明らかにする研究が行われた。

 

なお、研究を発表したパデュー大学によると、1000名を超える犬猫のオーナーにオンラインでアンケートを採り、以下に示す事項が明らかになったとのことである。

◆オーナーの衛生観念◆
・90%以上のオーナーが犬猫と親密なコミュニケーションをとっている
・犬猫に触れた後に手を洗うオーナーは3分の1に満たない
・40%のオーナーは給餌した後に手を洗わない
・約80%はリコールやフードが原因で起こる感染症の情報を得ようとしていない
・フードが感染症の発生原因になると認識しているオーナーは4分の1に満たない

 

上記のことから、犬猫のオーナーは、ペットフードが原因で起きる感染症に対する危機感が少ないことが窺える。よって、今後アウトブレイクを減らすべく、実例を紹介しながらペットフードの適切な管理方法を啓蒙するイベントが企画され、オーナーの健康(即ち犬猫たちの健康)が守られていくことに期待している。

親密なコミュニケーションとは、ハグ、舐めさせる、添寝などだとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32609832/


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