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全米各地でヒトのサルモネラ感染症を引き起こした犬用オヤツ

投稿者:武井 昭紘

◆サルモネラ感染症とは◆
ウシ、ブタ、ニワトリの腸内に存在している常在菌Salmonella属によって引き起こされる食中毒で、ヒトやペットに発熱、嘔吐、下痢などの症状を発現する感染症である。また、子供や高齢者が当該細菌に感染すると、菌血症、脱水、神経症状を呈して重症化し、回復までの期間が延長する特徴も有している。つまり、このサルモネラ感染症がペットに発生すれば、すなわち、オーナーとその家族に食中毒が起きるリスクが格段に上昇してしまうと言えるのだ。

 

そして、今、当該感染症が、全米を巻き込んでアウトブレイクしている—–。

なお、アメリカの主要な報道機関CBSニュースによると、ニュージャージー州に拠点を置くペットフードメーカーLennox社がリリースしている犬用オヤツ「ブタの耳」を購入した人々が、次々とサルモネラ感染症に罹患しており、製品が流通している33州のうち、少なくとも27州で90件(20件が入院加療となっている)を超える症例が報告されているとのことである。そのため、2019年7月23日付けにて、アメリカ疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)が、事態の収束に向けて本格的な調査に乗り出すことを発表するに至った。

 

最終的に、被害はどこまで拡大するのか?
「ブタの耳」を食べた犬の健康被害は起きているのか?

今後のCBSニュースおよびCDCからの続報に注視していきたい。

Lennox社は、今回紹介したアウトブレイクを受けて、「ブタの耳」を使った製品をリコールしているとのことです。なお、画像はイメージです。

 

参考ページ:

https://www.cbsnews.com/news/pig-ear-dog-salmonella-as-outbreak-expands-to-27-states/


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