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ペットの応急処置に関するオーナーの知識と技術を調べたイギリスの調査

投稿者:武井 昭紘

至極当たり前のことだが、心肺停止など緊急事態に陥ったペットには応急処置を施す必要がある。そして、この処置は時と場所、加えてヒトもを選ばない。つまり、応急処置は医療器具が無いペットの自宅や外出先で、動物医療を専門的に学んだことがないヒトの目の前で必要に迫られるかも知れないのだ。ならば、皆様に問う。その準備はできているだろうか。応急処置の知識と技術、また処置を行う覚悟はあるだろうか。時も場所もヒトも選ばない緊急事態に遭遇した場合、すぐさま行動に移し適切な対応ができるだろうか。

 

冒頭のような背景の中、イギリスはチャリティ団体PDSA(People’s Dispensary for Sick Animals)の調査結果が公開された。なお、同調査はペットを飼育するオーナーを対象にしており、彼らの応急処置に関する知識・技術レベルを測ることが目的で実施されたという。すると、以下に示す事項が明らかになったとのことである。

◆ ペットの応急処置に関するオーナーの知識と技術◆
・回答者の90%以上が応急処置の訓練を受けていなかった
・回答者の80%が応急処置キットを所有していなかった
・75%が心肺蘇生法を知らなかった
・74%が発作への対応を知らなかった
・52%が骨折への対応を知らなかった

 

緊急事態は一刻を争う。1分1秒も無駄にできないのだ。しかし、ペットに施す応急処置の準備ができているオーナーは極僅かという現実があるようである。よって、今後、応急処置の心構え、知識、技術を啓蒙するイベントが開催され、動物病院を訪れる前の救命率が上がることを願っている。

PDSAは、ペットに施す応急処置に関する情報をオンラインで公開しているとのことです。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/22435/Owners-lack-vital-pet-first-aid-knowledge,-survey-finds


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