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Dog Aging Projectの中間報告~犬の寿命を左右するファクターに関する研究~

投稿者:武井 昭紘

Dog Aging Project
それは、昨年始まったもので、犬の寿命を左右するファクターを探り、健康寿命を延ばす方法を確立するための研究である。そして、この度、ある一定の成果が得られたとして、研究の一端が公開された。なお、その公開された情報によると、一次診療を担う動物病院を訪れた20000匹以上の犬のデータを基に、寿命を左右するファクターを解析したところ、以下に示す事項が明らかになったとのことである。

 

◆犬の寿命を左右するファクター◆
・体格は、寿命と負の相関関係にある
・不妊去勢手術によって寿命が長くなる(オスよりもメスで顕著)
・純血種と混血種の寿命に差は無い
・近親交配をしている個体より「していない」個体の方が、中央値で3~6ヶ月、寿命が長い
・マウンテングループに属する犬種は、他の種よりも約4年、寿命が短い

 

上記のことから、①不妊去勢手術は寿命を延ばし、②体格が大きいこと、③近親交配していること、④マウンテングループに属することは寿命を短くすることが分かる。果たして、これら①~④の要因は、どのような機序で寿命を左右しているのか。今後の更なる研究で、その全容が解明され、犬たちの健康寿命を延ばすヒントが得られることを願っている。

マウンテングループに属する犬種は、リンク先をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://cgejournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40575-020-00086-8

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3559126/(マウンテングループ)


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