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犬のアトピー性皮膚炎に対するプロアクティブ療法の開発を試みた研究

投稿者:武井 昭紘

犬のアトピーに対する治療法の開発は、現在もなお、盛んに研究される発展途上の分野であり、本サイトでも、ラクトフェリシンニキビ治療薬ワクチンなど、多角的なアプローチを紹介させて頂いた。その中でも、アトピーの病態に深く関与して痒み・皮膚炎を引き起こすとされるインタローイキン31(IL-31)をターゲットにした治療法は非常に注目されており、今後の研究の発展が大いに期待されるところとなっている。

そのような背景の中、ノースカロライナ州立大学は、犬のアトピー性皮膚炎(canine atopic dermatitis、AD)に対するプロアクティブ療法を開発する研究を行った。ところで、プロアクティブ療法とは、症状が表面化する前に治療を施す手法で、且つ、皮膚が弱いヒトの日常ケアとして一般的に広まっている概念である。なお、同大学によると、ロキベトマブ(抗IL-31抗体)を注射後7日目にハウスダストマイトを感作した犬において、皮膚病変の発現は抑えられなかったものの、痒みを抑止する効果はあり、アトピー罹患犬のQOLに関わる症状に対して、プロアクティブ療法が有用であることが確認されたとのことである。

上記のことから、プロアクティブ療法は、愛犬の痒みの「再発」を大変に気にされるペットオーナーや、痒みによって睡眠時間・食欲が大きく左右されてしまう犬に適応できるものと思われる。

本研究では、ロキベトマブを用いたプロアクティブ療法が、ADの犬における抗アレルギー薬の休薬にも有用であることが発表されております。

 

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