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能登半島地震 被災ペットの無償一時預かりの期限延長

投稿者:AsaT

県獣医師会は25日までに、能登半島地震を受けて実施している被災ペットの無償一時預かりの期限を3月末から延長し、6月末までとすることを決めたことがわかった。

記事によると、被災地で上下水道の復旧や住居の確保に時間を要していることを考慮した対応で、今月15日には能登地域で被災ペット専用のシェルターを稼働させた。宮野浩一郎会長(65)は「飼い主が生活再建に専念できるよう、被災したペットは家族の元に帰るまで守り抜く」と語ったという。

県獣医師会が被災したペットの一時預かりを始めたのは1月15日。動物連れでは入れない避難所が多いことを懸念した宮野会長ら幹部が、人とペット両方の命を守るために必要だと考え、加盟する動物病院に「1匹だけでもいいので預かってもらえないか」と声を掛けて回った。約60カ所の病院が引き受けてくれた。

被災者から託された「家族」はイヌ、ネコ、ウサギ、インコなど多種多様。最も多い時期には200匹を超えた。同会では現在に至るまで、全て無償で受け入れており、各病院では本来手術後に使うケージなどを預かりペットのために使用している。  当初、預かりは「1カ月限定」の計画だったという。しかし、「被災者は家を失い、道路や上下水道もなかなか復旧しない状況を見て、すぐに『1カ月では足りない』と感じた」と宮野会長は振り返る。

「(狂犬病の予防接種があり病院が繁忙期となる)4月まで何とか預かってほしい」と獣医師仲間に再び頼み込み、いったん3月末まで期限を延長。ただ、被災地は今も日常にはほど遠い。このため、県獣医師会として今月、被災した動物専用の一時預かりシェルター「ワンにゃんハウスのと」を中能登エリアに設けた。

シェルターでは、専門家を中心にスタッフが24時間常駐するシフトを組む。今は県内各地の動物病院から被災ペットたちを順次シェルターに移している最中だ。宮野会長は「最後まで私たちが責任を持って守り抜くので、飼い主さんはどうか安心して預けてほしい」と強調。

行政の手をほとんど借りず、獣医師会が単独で一時預かりを行うのは全国的にも珍しく、関係者の注目度は高いという。人件費や餌代といった費用は全国から県獣医師会に寄せられている義援金で賄う予定で、宮野会長は「応援してくれる人が多く、心強い」と感謝した。

同会では奥能登各地でペットの巡回診療も行ってきた。地震直後は動物病院も営業できず、常備薬が手に入らないなどの課題が生じたためで、岩手大から借りた移動診療車「ワンにゃん号」で有志が週2回ほど赴いている。レントゲンや血液検査装置、麻酔器など病院に近い設備が整っており、活躍しているという。 現在は病院の再開に伴い、かかりつけ医への引き継ぎを進めており、巡回診療は月末で終える予定。

宮野会長は、動物病院の仕事の傍ら、被災ペットの預かりやシェルター運営に休日返上で活動してくれる人もいるとして「頼もしい仲間の献身でここまでやってこられた」と話す。同会では被災地のネコの避妊、去勢手術や、地震で困っている飼い主の無料相談にも応じており、今後も被災地の動物の命を守る活動を続けていく方針。


https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1353620

<2024/03/26 北國新聞>

能登半島地震 被災ペットの無償一時預かりの期限延長(写真と記事は関係ありません)

 


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