犬のアトピーでは、炎症を起こしやすい皮膚組織(体質)に、ハウスダスト、ノミ、ペットフード、ホルモンバランスなどの様々な原因が関わることで、臨床症状が発現する。そのため、既存の療法食やアトピー治療薬でコントロールできない症例は珍しくなく、視点を変えたアプローチで解決を試みることが必要となる場合もある。特に、体質を少しでも和らげる手法が一つでも多く確立できれば、獣医師とペットオーナーを悩ませる症状の大幅な軽減が見込めるのではないだろうか。
そこで、スイスのチューリッヒ大学とベルン大学らは、犬のアトピーに対するワクチンを開発し、有効性を検証した。なお、同検証のワクチンは、犬に投与すると、痒み・皮膚炎を起こす因子インタローイキン31(IL-31)を攻撃する抗IL-31抗体を産生するように設計されているとのことである。
将来的に、上記のワクチンに関する研究が進み、世界的にアトピー治療薬として認められるようになれば、難治性アトピーに罹患した犬から皮膚トラブルを消し去ることができるようになるかも知れない。
参考ページ:
http://www.jacionline.org/article/S0091-6749(18)30118-0/abstract