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イギリス獣医師会が発表した違法取引の大半を占める犬種

投稿者:武井 昭紘

2012年、イギリスでは、ペットの輸出入に関する取り決めであるPet Travel Scheme (PETS)が改訂され、年齢の証明および予防措置の完了を示した書類が揃っているという条件のもと、入国が出来る犬の最低年齢が15週齢(改訂前は10ヶ月齢)へと引き下げられた。これに伴い、輸入検疫の年齢も変更されており、条件に満たない個体(特に15週齢未満)は、掛かった検疫費用の請求とともに申請元へと返還されることとなり、万が一、引き取り拒否によって行き先を失った子犬には、世界中の犬の幸せを願って活動を続ける慈善団体DogTrustが受け入れるシステムが適応されている。しかし、おそらく国民のペットライフ(旅行)を充実させるためと推察できる「PETSの改訂」とDogTrustの取り組みは、想定とは全く異なる様相を呈し、ペット業界の「闇」を大きくする結果を招いてしまった-----。

 

なお、DogTrustによると、過去4年間にも及ぶ潜伏調査によって判明した東ヨーロッパ(リトアニア、ルーマニア、ハンガリー、ポーランド)における犬の流通(4週齢で親元を離れる)に連動するかのように、年齢を偽られてPETSを利用する個体が増加し、同組織で受け入れる子犬の頭数が800匹超えたとのことである。さらに、これらの内訳を解析した結果、フレンチブルドッグ、ブルドッグ、パグ、ダックスフントが80%を占めることが明らかになっている。

上記のような背景の中にあって、現在、イギリスは、短頭種の飼育放棄(ネグレクト)という社会問題を抱えているのも、紛れもない事実だ。よって、PETSの悪用を防ぐ対策を講じることが急務であると思われ、プライベートな旅行とビジネスとしての輸出入を明確に見分けるガイドラインの作成が必要なのかも知れない。

DogTrustが受け入れた子犬が、今後、どのような処遇となるのかについても注視していきたいと思います。

 

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