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猫のパルボウイルス感染症における予後判定因子と有効な治療法に関する研究

投稿者:武井 昭紘

猫のパルボウイルス感染症(汎白血球減少症、FPV感染症)は、排泄物を介して伝播し、
免疫力の低下や消化器・眼・神経系の症状を呈する疾患で、致死的経過を辿ることも珍しくない。しかし、対症療法や食餌管理により回復する個体もおり、予後を左右する、または、決定する何らかの因子が存在していると仮定できる。

そこで、ユトレヒト大学(オランダ)およびチューリッヒ大学(スイス)は、シェルター生活を経験した猫のFPV感染症について予後判定因子を調査し、以下に示す項目に該当すると予後不良であることを明らかにした。

◆FPV感染症における予後に関わる因子◆
・体温が37.9度未満
・治療開始時点で削痩している
・治療開始から3日目以降に白血球数が減少する

また、同大学らは、興味深いことに、抗生剤療法は生存期間を延ばす効果を持つが、
インターフェロン製剤にその効果は無かったと結論付けている。

本当に必要な治療とは何なのか?

予後判定因子の解析を大規模に進めていくことで、新たなFPV感染症の治療法が見えてくるかも知れない。

FPV感染症の中でも、インターフェロンに治療法の必要性の有無が分かれるとしたら、その因子を解明する研究も行われることにを待しております。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29963955/


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