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豪クイーンズランド カササギ 野生動物当局が保護主に返還 世間が強く要望

投稿者:AsaT

豪クイーンズランド州で、家庭で保護・飼育されていたものの、野生動物当局に押収されていたカササギが、飼い主の元に戻された事が分かった。

記事によると、モリーは、ひな鳥の時に2人に保護された。その後、このカップルが飼っているスタッフォードシャー・テリアの「ペギー」と不思議なほど仲良くなり、インスタグラムの人気者になった。2人のアカウントには現在、80万人以上のフォロワーがいる。

モリーは、6週間前に当局に押収されており、「モリー」と名付けられたカササギを飼っていたジュリエット・ウェルズさんとリース・モーテンセンさんはこのほど、モリーを飼育する特別ライセンスを取得したという。特別ライセンスには、モリーを使って利益を得ることを禁止するなど、厳しい条件が付けられているそうだ。

モリーの帰還後初めての投稿で、ウェルズさんとモーテンセンさんは「感情があふれている」と語った。 また、解放されたモリーは「幸せそうに鳴いた」のだと述べた。

モリーをめぐっては、オーストラリアカササギをペットとして飼うことの倫理性が、議論の焦点になった。 クイーンズランド州の環境・科学・革新局(DESI)は今年初め、このカササギが「許可、ライセンス、権限を持たずに不法に野生から連れ去られた」と発表。 ウェルズさんとモーテンセンさんは3月1日、モリーを同州当局へと「手放した」と、感情をあらわに動画で報告。

モリーを飼っていることについて、「一握りの人たちが定期的に苦情」を繰り返していたことが原因だと説明した。 また、「なぜ野生のカササギが自分で住む場所や一緒に過ごす相手を決められないのか、当局に問い合わせているところだ」と語った。 この事態は、オーストラリアで大きな話題になっていた。

モリーを飼い主の元へ返すべきだという署名活動には15万人以上が参加。それを受けて、クイーンズランド州のスティーヴン・マイルズ州首相が介入することになった。 マイルズ州首相は、「時には常識が優先されるべきだと思う」として、特別許可を与えるよう当局にはたらきかけた。

DESIは、専門の獣医の助言を求めた結果、モリーが「高度に人になれて」おり、この鳥を野生に戻すことはできないと判断したという。 同局は、「広範な法的助言」の後、モリーをカップルの元に戻したと説明した。 モリーをカップルに返すことについてマイルズ州首相は 「モリーはこの間、素晴らしいケアを受けており、終始元気だったと聞いている」と述べた。

モリーは家に戻ったが、ウェルズさんとモーテンセンさんは野生動物保護士のライセンスを維持するために厳しい条件を守らなければならない。2人は訓練を受け、モリーの健康状態を証明する必要があるほか、モリーから「継続的な商業的利益を得ない」ことも定められている。

この最後の条件が最も難しいかもしれない。ウェルズさんはすでにペンギン・ブックス・オーストラリアからペギーとモリーについての本を出版しており、ペットたちの写真を使ったカレンダーやTシャツも販売されている。「ペギーとモリー:やさしく、謙虚に、ハッピーに」という本を宣伝する投稿は、二人のインスタグラムのトップに貼られたままのようだ。

モリーが戻ってくる前、ウェルズさんとモーテンセンさんはオーストラリアのABCニュースの取材で、モリーによって利益を得たことはあるが、それほど大きい額ではないと語った。 ウェルズさんは、「金もうけするつもりなどありません。そういうことではない」と話した。 モーテンセンさんも、「モリーによって得たお金で生計を立てることはできません。不可能です」と述べている。

豪ニューイングランド大学のギゼラ・カプラン教授は、専門的な知識なしに鳥を飼育すべきではないと指摘。ペギーとモリーの状況が「今回限り」のことで終わるよう願うとABCニュースに語った。

オーストラリアカササギは30年生きる個体もあり、国の生態系に不可欠な在来種として保護されている。ユーラシアカササギに似ていることからその名が付けられたが、実際には近縁種ではない。


https://www.bbc.com/japanese/articles/c6py7z46g0go

<2024/04/16 BBC NEWS J APAN>

豪クイーンズランド カササギ 野生動物当局が保護主に返還 世間が強く要望(写真と記事は関係ありません)

 

 


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