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悪性腫瘍を抱えている犬を特定する犬の嗅覚の精度を算出した研究

投稿者:武井 昭紘

ある研究によると、犬は尿の匂いで仲間が抱える膀胱腫瘍の存在を察知できるようになるという。そこで、疑問が浮かぶ。それ程までに優れた嗅覚ならば、膀胱以外に発生する腫瘍も、いや欲を言えば悪性腫瘍に限定したとしても嗅ぎ分けることができるのではないだろうか。そして、その能力を小動物臨床における腫瘍科診療(診断や治療効果判定など)に役立てることがでるきのではないだろうか。

冒頭のような背景の中、アメリカの大学らは、①臨床上健康な犬および②悪性腫瘍と診断された犬から採取された唾液を、①②が識別できるように6ヶ月間(週に1〜3回)訓練された犬6匹に嗅いでもらう研究を行った。なお、同研究に採用した②のサンプルは、放射線療法や化学療法による治療を受ける前のものだとのことである。すると、犬たちは感度90%、特異度98%で①と②を判別できることが分かったという(的中率95%)。

上記のことから、彼らの嗅覚は、膀胱腫瘍のみならず悪性腫瘍全般の匂いを認識していることが窺える。よって、今後、本研究で実践された訓練法が体系化され、誤診を防ぎ悪性腫瘍を見逃さないように獣医師の診療をサポートする悪性腫瘍探知犬が活躍する未来が訪れることを期待している。加えて、保護犬を訓練することで、彼らが殺処分を免れ居場所(動物病院)を見付けるシステムが構築されることを願っている。

訓練の際に使用した②のサンプルは、感度および特異度を算出する試験には使用しなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36965473/


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