獣医療では、大規模な血液バンクが組織化されておらず、レシピエントの同居犬やペットオーナーまたは動物病院の知人が飼育する犬からの血液提供を受けるケースがある。しかし、不測の事態（交通事故、落下など）または大量の失血（腫瘍、溶血性疾患など）に伴って、緊急対応としての輸血療法を検討する場合には、ドナーを見付ける時間的余裕が無いことが少なくない。加えて、血液が用意できなければ、止血対策（血小板・凝固因子の補充等）を講じるのだが、安定性に優れた動物用製剤は流通していないという現状がある。
そこで、メリーランド州に拠点を置くBodeVetは、血小板由来製剤StablePlate RXを開発して、動物用医薬品としてリリースした。なお、同製品は、乾燥した状態で保管できる血小板由来産物がバイアルに収められており、使用する時に注射用水で溶解する方式を採用している。
今後、StablePlate RXの有用性が立証され、本国にも普及していくことに期待したい。
1バイアル5kgとのことですので、日本の動物病院では、使い切りやすいかも知れません。
参考ページ：
www.bodevet.com/products/stableplate-rx/
