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体重が増えていく猫の体に蓄積される脂肪の分布を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

ブラジルの大学らの研究によると、肥満の猫が抱えている脂肪は四肢よりも体幹に多く分布しているという。つまり、脂肪が蓄積しやすい場所があると考えられるのだ。では、彼らの体重が増えていく過程で、一体どこに多くの脂肪が集まるのだろうか。それを明らかにすることは、「病気である肥満」を正確に評価する上で大変重要である。

 

冒頭のような背景の中、ヨーロッパの大学らは、40週間自由にドライフードを食べた成猫の体重増加と脂肪組織の評価をする研究を行った。なお、同研究では内臓脂肪(VAT)と皮下脂肪(SAT)の割合、そして肝臓に蓄積する脂肪の割合をMRI検査で数値化している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆ 体重が増えていく猫の体に蓄積される脂肪の分布◆
・VAT/SATという比は常に1より小さかった
・体重増加に伴い脂肪組織も増加した
・また肝臓に蓄積する脂肪の割合も上昇した
・VATおよびSATと比べて肝臓に蓄積する脂肪の量が多かった

 

上記のことから、猫の体に蓄積する脂肪は内臓よりも皮下に偏りやすいが、体重が増加していく過程では肝臓に集中して蓄積することが窺える。よって、猫の健康診断で肥満の状態を正確に評価するべく、内臓脂肪、特に肝臓の脂肪の量を院内で測定する方法が確立されることを期待している。

研究で採用したフードは市販のものだとのことです。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2023.1150085/full


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