ケンネルコフは、免疫力が弱い幼犬や予防接種をしていない犬で発生しやすい呼吸器感染症で、多様な病原体が複雑に関与すると考えられている。そのため、ワクチンで症状を軽減できる可能性がある反面、予防法が充分に確立されていない微生物が原因となっているケースもある。また、ワクチンの剤型は注射タイプが多く、一部の動物にとって、恐怖や痛みといったストレスの素となってしまう。
そこで、動物用医薬品を扱っている大手、メリアル社は、ケンネルコフの一因となるBordetella bronchisepticaに対する犬用ワクチンを製品化した。同製品の最大の特徴は、経口薬として開発されたことである。
以前の記事の通り、経口型ワクチンは、フリーローミング(放し飼い)の犬が多い国や地域を中心に、狂犬病の予防においても実用段階に近付いている。今後、注射タイプのワクチンが抱えるデメリットをカバーするように、様々な病原体に対する経口タイプのワクチンがリリースされていくことに期待したい。
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