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冷え性にはお灸を、ネコにも東洋医学の時代

投稿者:AsaT

体に優しく、体質改善が期待される東洋医学は、私たちヒトだけでなく獣医学の分野でも注目されている。最近ではペットにも漢方処方や鍼治療が行われ、お灸をする病院もあるそうだ。

記事によると、成城こばやし動物病院(東京都世田谷区)では、飼い主のニーズから2016年12月に「鍼・漢方」専門の診察室を開設。

同病院では、よく病院で見かけるステンレス製の診察室はなく、木製の診察台に柔らかな照明で、家のように落ち着いた雰囲気の中で診察を受けることができるそうだ。X線、CT、MRIなどの医療機器はない。

鍼・漢方外来担当の山内明子獣医師によると、飼い主との対話を十分にとって、日常の様子や体調の変化などを入念に聞き取るそうだ。話を聞いた後は猫の体を優しく触診し、ツボ周辺の張りや凹凸を確認して、脚の付け根部分で脈を取り治療方針を決めるという。

鍼はヒト用だが受診に来ていた猫は痛がる様子はなく、ツボに鍼を6本刺し、10分ほどで鍼を抜く。1日8匹ほどイヌ・ネコの治療を行っている。猫は病院に来ることがストレスになるので、自宅でできるマッサージやツボ刺激も飼い主に伝えるそう。

また、沢村獣医科病院統合医療センター(千葉市)は昨年5月に開設。澤村めぐみ院長は鍼灸師の資格を持っており、お灸の専用診察室がある。鍼灸治療や漢方治療の効能が口コミで広がって、北海道や関西からも電話相談を受けることもあるという。終末期医療や自然成分由来の漢方薬で根本治癒を考えたいなど、要望は様々だそう。

ほかにもヒト用の中成薬(中国漢方製剤)を製造、販売する「イスクラ産業」(東京都中央区)は、2013年以降、イヌ・ネコ用の漢方処方を販売している。

商品はペット中医学(ペットの漢方・日本ペット中医学研究会主催)講座に参加した、一定の中医学(漢方)の知識を持った獣医師がいる動物病院に限定販売。2013年に50病院でスタートしたが、現在は322病院に増えているそうだ。

「医療技術が進むほど検査も複雑化し、受診すること自体が負担になりがちです。漢方の人気は、ペットにストレスや負担の少ない治療をしてあげたいというニーズが背景にあるのでは」


https://dot.asahi.com/aera/2018012500013.html?page=2

<1/28(日) 7:00配信 AERA>

澤村めぐみ院長にお灸を据えてもらい、ほっこり体を温めるネコ=千葉市の沢村獣医科病院統合医療センター(撮影/大野洋介)

澤村めぐみ院長にお灸を据えてもらい、ほっこり体を温めるネコ=千葉市の沢村獣医科病院統合医療センター(撮影/大野洋介)

 

 


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