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ペットオーナーが希望している次世代の獣医療サービスに関するアンケート

投稿者:武井 昭紘

アメリカのコロラド州にあるvet2petという会社が、動物病院を運営している獣医師によって2013年に設立された。そして、同社が、あるオンラインサービスに関して、ペットオーナーにアンケートを取り、次世代の獣医療サービスを検討する活動を行った。このアンケートは、現代社会の必需品となりつつあるスマートフォンが、獣医業界でも活用できるはずであるという考えに基づいて実施された。

スマートフォンには、通話やメール、インターネットなどの様々な機能があり、その中でも利便性が高いものとして、アプリ機能が挙げられる。vet2pet社の発表では、ペットオーナーの86%がアプリ機能を日常生活で使用しており、74%のオーナーが毎日最低1種類のアプリを起動しているとのことであり、ペットオーナーにもスマートフォンおよびアプリが普及していることがうかがえる。そこで、vet2pet社は、「ペットオーナーが希望している獣医療関連のアプリ機能」について調査を行ったとして、以下のような結果が得られたことを公表している。

◆ペットオーナーが望む次世代獣医療サービス◆

・動物病院の開院時間の確認(臨時休業など不規則な日程を含むかも知れない)
・診察の予約
・アプリ連動のポイントプログラム(特に既存のポイント制度がある動物病院)
・ペットの診療記録の閲覧
・獣医学関連の文献の検索
・医薬品の処方に関する手続き
・ペットフードの注文

 

さらに、上記のサービスについて、ペットオーナーは「電話よりもアプリを使用して済ませたい」という要望もあるようで、同じサービスを受けるならアプリを選びたいと希望しているヒトが多いことも明らかとなっている。このことから、顧客を獲得する一つの戦略(他院との差別化)として、利便性の高いオリジナルアプリを作成することが有効であると推測できる。今回の要望は、スマートフォンが普及している日本のペットオーナーにも当てはめることができると考えられると同時に、高性能のスマートフォンがリリースされる度に、獣医療サービスの革新を望む声は増えていくのではないだろうか。

そして、最後に、記事を書いている筆者の期待する次世代獣医療サービスを記載して終わりにしたいと思う。人医療でも、獣医療でも、緊急事態や不測の事態(交通事故、災害など)において、現場の近くにあり開院している医療施設を検索し、連絡することは、当事者にとっては困難な場合がある(パニック状態となるヒトやペットも居るはずである)。つまり、救急救命専用アプリの開発をすることが、救える命を増やすキッカケとなるかも知れない。アプリを起動して、指紋、音声、暗証番号の何れかの認証を済ませたら、自動的に近隣の医療施設に緊急通報が入り、現場にスタッフが駆けつける。将来的に、そのようなアプリが活躍するようになれば、ヒトやペットに対して大きな安心感を与えられるサービスが提供できるのではないかと思う。

他院と差別化を図るサービスを立案する貴重なヒントは、ペットオーナーやペットに「訊く」ことで得られるのかも知れません。

他院と差別化を図るサービスを立案する貴重なヒントは、ペットオーナーやペットに「訊く」ことで得られるのかも知れません。

 

参考ページ:

http://veterinarynews.dvm360.com/apps-veterinary-clients-why-cant-i-just-do-it-my-smartphone


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