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獣医解剖学を習得するシステムを変貌させようとするアメリカの大学

投稿者:武井 昭紘

この記事の筆者が、新入生として日本の獣医学部に入学した時、初めて触れた獣医学は解剖学であった(現在の獣医学部でも同様かも知れない)。この獣医解剖学は、獣医師が有する専門知識の根幹をなす重要な分野であり、小動物臨床の現場でも非常に大切な基礎知識として位置づけられている。しかし、「獣医解剖学の真の価値」を実感するのは、大学を卒業して、獣医師として臨床現場に立った後(特に外科手術を経験してから)であった先生方は少なくないと思う。

上記の解剖学の価値を学生に分かりやすく伝えようとしている大学がある。それは、アメリカのテキサスA&M大学であり、同大学の視覚化学部(視覚化技術を芸術や科学に生かす分野)の協力を得て、獣医解剖学のバーチャルリアリティ(VR)を開発している。このVR技術により、文章や2次元のイラストおよび画像では複雑すぎてイメージがしづらい動物の立体構造を3Dで実体験することが可能となる。

今後、大学に限らず、獣医学の視覚(VR)化が進めば、新卒の獣医師に未経験の処置や手術を「失敗が許されたデジタル環境」で体感させることもできるのではないだろうか。また、経験者に対しては、症例に合わせた手術シュミレーションを提供することが実現して、手術(麻酔)時間の計算や不測の事態を事前に体験することができるようになるかも知れない。

視覚化技術は、医学や獣医学を含めた多くの専門的知識を深く理解するための重要なツールとなるかも知れません。

視覚化技術は、医学や獣医学を含めた多くの専門的知識を深く理解するための重要なツールとなるかも知れません。

 

参考ページ:

http://www.veterinarypracticenews.com/texas-colleges-bring-canine-anatomy-vr-to-sxsw/


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