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アメリカンケネルクラブがダニ媒介性疾患の研究をサポート

投稿者:武井 昭紘

犬を飼育しているオーナーにとって、寄生虫やウイルスの予防は重要なことである。その中でも、ダニが媒介する疾患は、ヒトにも感染することがあり、日本でも死亡例が報告されている。しかし、ダニ媒介性疾患の症状は非特異的であることも珍しくなく、診断・治療が困難となる場合もある。

そこで、アメリカンケネルクラブは、研究機関に総額20万ドル以上の助成金を渡し、ダニ媒介性疾患の研究の進展を促すこととした。研究機関と研究内容は以下の通りである。

 

1.ウェスタン大学:レースに出場するグレイハウンドに起きる血小板減少症(ヒトツボシダニが媒介)

2.オハイオ州立大学:犬のライム病に関する研究

3.ノースカロライナ州立大学:犬のバルトネラ症の診断を改善する研究

4.Western University of Health Sciences:次世代シーケンシング(next-generation DNA sequencing、NGS)を用いたダニ媒介性疾患の診断方法の確立

5.ロス大学:犬のエールリヒア症におけるリンパ球の応答(役割)

 

上記の研究が進めば、感染源となるダニを予防するだけではなく、ダニ媒介性疾患を個別に予防する方法が開発されるかも知れない。また、一次診療の動物病院で迅速に診断ができるキットが開発されたり、抗生物質の投薬で改善しない症例の治療方法が確立することにも期待したい。

ダニ媒介性疾患の診断・治療・予防に関する研究は、ペットだけではなく、ヒトの命も救うことができるので、研究機関の動向に注目したい。

ダニ媒介性疾患の診断・治療・予防に関する研究は、ペットだけではなく、ヒトの命も救うことができるので、研究機関の動向に注目したい。

 

参考ページ:

https://www.vettimes.co.uk/news/bayer-campaign-scoops-top-award/


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