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犬のリンパ腫の基本的事項についてツイートしたアメリカの国立がん研究所

投稿者:武井 昭紘

15~20%。

犬が診断される悪性腫瘍のうち、これだけの割合がリンパ腫で占められている。そのため、当該疾患についての研究は盛んであり、様々な情報発信が日々行われている。そこで、今回は、アメリカの国立がん研究所が投稿したあるツイートを紹介したい。その内容は、新人獣医師が小動物臨床に従事するにあたり知っておきたいリンパ腫の基本的事項だ。以下の事項を参照して頂きたい。

 

◆犬のリンパ腫の基本的事項◆
1.最も一般的なタイプは多中心型である(リンパ腫の80~85%、全身のリンパ節に腫瘍が発生)
2.2番目に一般的なタイプは消化管型である
3.稀なタイプとして縦隔型と節外型がある
4.縦隔型は胸腔内のリンパ器官に腫瘍が発生した状態である
5.節外型は眼、皮膚、腎臓などのリンパ節以外に腫瘍が発生した状態である
6.リンパ腫では下記の通り多種多様な症状が発現する
・リンパ節の腫脹
・体重減少
・元気消失
・呼吸困難
・咳
・罹患部位に「しこり」が確認される
・単純な皮膚病に見える病変
・発作
・失明

 

今まさに、心当たりがある症状を呈した犬を診察しているだろうか。診察しているとするならば、その子がリンパ腫である可能性はどれくらいあるだろうか。『もしかしたら』と思う新人獣医師は、その可能性を探って頂きたい。上級獣医師に相談し、精査の必要性を検討して頂きたい。腫瘍科診療の基本は、早期発見・早期治療。どうかリンパ腫の基本的事項を念頭に置き、日々の診療業務にあたって頂けると幸いである。

ツイートに添付されたイラストもご参照下さい。

 

参考ページ:

twitter.com/NCICompOnc/status/1691849297459904652


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