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ヒトと猫の新型コロナウイルス感染状況を時系列で比較した研究

投稿者:武井 昭紘

『卵が先か、鶏が先か。』

進化の過程で、どちらが先に地球上に存在したのか。そこには明確な答えが無い。現代を生きている人間誰しもが正解を知らないのだ。つまり、議論しても仕方のない事柄だとも言える。では、これはどうだろうか。

 

『ヒトが先か、猫が先か。』

世界各地でペットを飼育する世帯から次々と報告される新型コロナウイルスの感染事例。オーナーが感染者である時、そのペットも検査陽性なることが珍しくないのだ。一体、どちらが先にウイルス(SARS-CoV-2)に感染したのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、グラスゴー大学は、ヒトと猫におけるSARS-CoV-2の感染例を時系列で比較する研究を行った。なお、同研究では、変異株の出現(ヒトでの感染報告)のタイミングと、その変異株が猫に感染した報告が上がったタイミングに着目している。また、検証された猫の症例数(サンプル数)は、2020年4月〜2022年2月に渡ってイギリス全土から集められ、合計で2300例を超えるとのことである。すると、B.1株、アルファ株、デルタ株がヒトに感染したタイミングを「追うようにして」猫における感染が確認できたという。

上記のことから、『ヒトが先』だと考えられる。よって、仮に新型コロナウイルスに感染した場合は、愛猫との接触を避けて彼らにウイルスが伝播しないように注意を払うことが望ましいと思われる。そして、その際には、住居が異なる家族や親戚、ペットホテル、動物病院に猫を預けることを検討して頂けると有り難い。

リンク先の論文にありますFig.2をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/29/6/22-1755_article


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