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血統書付きの猫とそれを持たない猫の健康問題を比較した研究

投稿者:武井 昭紘

アメリカの大学の研究によると、純血種の犬と比べて交雑種の犬の寿命は長いという。そこで、疑問が浮かぶ。この傾向は猫にも通じるものがあるのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、イギリスで猫の福祉向上を目指す大規模な動物保護団体Cats Protectionは、2022年に飼い始められた猫を①血統書付き(国内に60万匹と推計される)と②血統書無し(75万匹)に振り分け、両グループの健康問題を比較する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆①と②が抱える健康問題◆
・①ではペルシャ、スフィンクス、ベンガル、スコティッシュフォールドが多くを占めていた
・①のオーナーの47%が健康問題を訴えた
・②のオーナーで健康問題を訴えた割合は29%に留まった
・健康問題には呼吸器(喘息など)、関節のトラブルが含まれていた
・①のオーナーの64%が101~2000ポンド(1.7~33万円相当)の医療費を支払っていた
・②のオーナーで101ポンド以上の医療費を支払った割合は23%であった

 

上記のことから、②に比べて①に属する猫は健康問題を抱えやすく、その治療に多額の費用を要することが窺える。よって、列挙した品種を中心として純血種の猫を飼育するオーナーには定期的な健康診断を薦めることが望ましいと思われる。また、純血種の猫に掛かる医療費について啓蒙し、飼育を始める前にその資金を用意するように訴えるイベントが企画され、彼らが健康に暮らせるようになることを願っている。

同調査では、①を飼い始めたオーナーの約30%がSNSに彼らを投稿して「いいね」をもらいたいという動機を持っていたことが明らかになっています。(②のオーナーでは5%)

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/22437/New-figures-show-rise-in-popularity-of-pedigree-cats

https://www.cats.org.uk/support-us/our-latest-campaigns/more-than-just-a-moggy


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