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観測史上初めて40℃を超えた酷暑の夏を経験したイギリスにおける犬の熱中症

投稿者:武井 昭紘

2022年、イギリスは、観測史上初めて40℃を超えた酷暑の夏を経験した。そのため、ペットの熱中症にも注意が及んだのであろうか、当該疾患を発症したペットの症例が2018年と比べて減少したという。しかし、それであっても症例数はゼロになることはなかった。では果たして、警戒心が強まったと言われる2022年に起きたペットの熱中症とは、一体どのようなものであったのだろうか。

冒頭のような背景の方、イギリス獣医師会(British Veterinary Association、BVA)は、同国で小動物臨床に従事する獣医師を対象にして、ペットの熱中症に関する調査を行った。それによると、獣医師10人に1人が車の中に犬を放置する事故と遭遇しており、また、38%の獣医師が炎天下の散歩や運動で熱中症になった犬を4件は診察していることが明らかになったとのことである。

これを受けて、BVAは「サイレントキラー」という言葉を用いて警鐘を鳴らす。車の中に犬を放置することは致命的と言わざるを得ないが、それと同等に炎天下の散歩や運動も犬の命をジワジワと奪っていく可能性があると。犬の熱中症は4月から出始めると発表した研究もある。もう5月は過ぎて梅雨の真っただ中6月だ。いつ熱中症が起きても不思議ではない。よって、サイレントキラーにはくれぐれも気を付けて欲しい。

2022年は、王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、RSPCA)が用意した暑さに関するアドバイスを掲載したウェブページへのアクセス数が650%増加したとのことです(前年比)。

 

参考ページ:

https://www.bva.co.uk/news-and-blog/news-article/silent-killer-walking-dogs-in-hot-weather-could-be-as-deadly-as-a-hot-car/


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