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酷暑の季節よりも温暖な季節における熱中症に関して注意喚起をするイギリス獣医師会

投稿者:武井 昭紘

2022年、イギリスでは、日本で言うところの熱中症警戒アラートのような警報が出された。この年の気温は40℃を超えることもあったという。記録的な猛暑、いやそれ以上に厳しい夏、酷暑と言っても過言ではなかったであろう。しかし、意外なことが起きたとイギリス獣医師会(British Veterinary Association、BVA)は述べる。ペットの熱中症や肉球の火傷が減少したというのだ。一体何が起きたのだろうか。

2018年、この年は2022年より大幅に涼しかった。つまり、熱中症や火傷のリスクが低いと予想できる年だった。だが、実際は違っていた。2018年、熱中症の治療が必要だと判断できる動物を診察した獣医師(イギリス全土が調査対象)の割合は実に66%。対して2022年は51%。酷暑だとして警報が出された昨年、熱中症の症例が減少したと推定できる数値が算出されたのだ。

この結果を受け、BVAは注意喚起をする。涼しかった2018年にペットの熱中症が多かったように、本格的な夏を迎える前の今、比較的涼しい5月は熱中症に対する警戒が緩む可能性がある時期だと。そして、気を引き締めるように促す。夏前であってもペットの熱中症に注意を払って欲しいと。室温をこまめにチェックし、自動車の中にペットだけを残すことなく、日中の散歩や運動は避けて欲しいと。重度の熱中症は動物の命を奪う。それがいつ起きても不思議ではない季節が今だ。皆様の目の前にいる犬や猫、またはウサギの呼吸状態に異常はないだろうか。元気、食欲、行動に違和感はないだろうか。あるならば熱中症を疑い、躊躇なく動物病院に向かって頂けると有難い。

ペットが居る部屋は充分に換気し、彼らに直射日光が当たらないように気を付けて、いつでも飲める水を用意しておきましょう。

 

参考ページ:

https://www.bva.co.uk/news-and-blog/news-article/mild-spring-weather-potentially-as-dangerous-for-pets-as-extreme-summer-heatwaves-vets-warn/


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