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ヒトが感じているストレスを犬が嗅ぎ分けていることを示唆する研究

投稿者:武井 昭紘

ヒトが嬉しい時、落ち込んでいる時、悲しんでいる時、傍らに佇む犬は「それ」を察知し、理解しているかのような行動をとることがある。そこで、疑問が浮かぶ。果たして彼は何をもって「それ」を認識しているのだろうか。

冒頭のような背景の中、イギリスの大学らは、①ストレスを感じていない時と②感じている時のヒトの呼気および汗の匂いを犬4匹に嗅がせて、彼らの行動を観察する研究を行った。なお、同研究では、②は自己申告と生化学的検査で判断されており、犬たちは②を嗅いだ時に警戒するような行動をとるように訓練されている。すると、720回の嗅ぎ分けテストにおける精度が約94%であることが判明したという。

上記のことから、犬は高い確率でヒトのストレスを匂いで識別していることが窺える。よって、今後、この識別能力を利用したトレーニング法(ヒトにとって不都合な行動をしていることを犬に認識させる)や救助犬育成法(災害現場で苦しんでいるヒトを探し当てる)が考案され、ヒトと犬がより親密に共生・共存していく未来が訪れることに期待している。

研究に参加した個々の犬の精度は約90~97%であったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36170254/


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