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5月のFeline Hypertension Awareness Monthに合せて行われた動物用医薬品メーカーの情報発信

投稿者:武井 昭紘

約20%。これは、9歳以上の猫が高血圧を患っている割合である。そして、この高血圧は心血管系の問題に留まらず、多様な臓器・組織にダメージを与え、罹患猫のQOLを悪化させるばかりか、死に至らしめる恐ろしい病気として認識されている。そのため、早期診断・早期治療が望ましいと考えられているのだ。では如何にして、それを実現するのか。5月に設定されたFeline Hypertension Awareness Monthを機に改めて考えることが大切である。

 

冒頭のような背景の中、動物用医薬品メーカーCeva Animal Health社はオンライン上に、オーナーに猫の高血圧を啓蒙するツールキットを公開した。内容は、ポスター、リーフレット、ステッカー、待合室に掲示する素材と様々だ。中でも、猫の高血圧を単純明快に表現したイラストが目を惹く。以下がその内容だ(イラストはリンク先を参照)。

◆シンプルに表現された猫の高血圧◆
・高血圧は高齢の猫が直面する健康問題TOP5の一つ
・高血圧はオーナーが気が付かないうちに発現する
・ヒトと同様に定期的な血圧チェックが望ましい
・特に7歳を越えた猫は年1回以上の血圧測定を薦める
・高血圧を抱える猫は良く眠り、動きが緩慢になることがある
・また良く鳴き、困惑したような表情になることもある
・高血圧には眼、脳、心臓、腎臓の障害が続発する
・眼の障害では充血や視覚障害が生じる
・長期に渡る高血圧は突発且つ重度の失明を起こす
・高血圧は本格的な治療よりも予防がベターである

 

中断に記した定期的な健康診断の薦めは、国際猫医学会(International Society of Feline Medicine、ISFM)も同意するところで、年齢に応じて年1回〜2回の血圧測定を推奨している(年齢を重ねれば重ねる程、年2回が理想的となる)。また、Ceva Animal Health社は早期の治療がその後のケアを簡単なものにすると訴える。つまり、治療に掛かる費用もストレスも軽くなるということだろう。皆様が飼っている愛猫は今、何歳だろうか。7歳以上とあれば近々で動物病院を訪れ、健康診断(血圧測定)に臨んで頂けると有難い。

初期の高血圧は、猫の外見から推測することはできません(外見だけでは獣医師、動物看護師にも分かりません)。定期的な健康診断を薦めます。

 

参考ページ:

https://easethepressure.co.uk/feline-hypertension-awareness-month/


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