ニュース

南米コロンビアで初めて発覚した犬のDirofilaria repens感染症例

投稿者:武井 昭紘

皮膚糸状虫とも呼ばれるDirofilaria repensは、ヨーロッパの一部に分布し、犬糸状虫と同様に蚊が媒介して犬やヒトに感染するため、公衆衛生上において重要な寄生虫だとされている。また、同寄生虫は年々感染地域を拡大していることが知られており、感染リスクが高い国や地域を最新の情報にアップデートすることが医学・獣医学の課題となっている。

冒頭のような背景の中、北南米の大学らはある報告を行った。それによると、南米に位置するコロンビアにて、同国には存在していないとされるDirofilaria repensに感染した犬を初めて確認したという。検出方法は次世代シークエンシング。Dirofilaria repensを検出するために新たに設計されたプライマーで発見したとのことである。

これを受けて、大学らは述べる。この感染例は、アメリカ大陸における新興感染症がまた一つ増えたと。よって、今後、コロンビアを始めとする南米でDirofilaria repensの拡大を阻止することを意識したフィラリア予防について議論が深まることを期待している。

フィラリア予防に主眼を置くことは勿論ですが、多種多様な病気を媒介する蚊という生物を駆除する感染症予防についても議論されることに期待します。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37530869/


コメントする