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獣医師ではない医療関係者が扱うFeline Grimace Scaleの精度

投稿者:武井 昭紘

Feline Grimace Scale (FGS)は、猫が感じている痛みを数値化する指標として世界的に認知されており、動物病院でも広く利用されている。しかし、「痛みを隠す」とも言われており、且つ、見知らぬ獣医師の前で緊張状態になる猫が感じている痛みの評価は難しいのが現状である。では如何にして、その痛みを正確に評価するのか。それが獣医学の課題なのだ。

 

冒頭のような背景の中、世界の獣医科大学は、猫の世話をしている①医療関係者(獣医師を除く者を②とする)に猫の顔を撮影した画像を提示し、FGSで採点してもらうオンライン調査を行った。すると、66ヶ国から1200件以上の回答が寄せられ、以下に示す事項が明らかになったという。

◆獣医師ではない医療関係者が扱うFeline Grimace Scaleの精度◆
・耳、眼、ヒゲ、頭部の位置に関するスコアは①と②の間に有意差は認められなかった
・マズルに関するスコアには差があった(①の方が高い)
・各国の人口統計はスコアに影響しなかった

 

上記のことから、①と②の評価は近似していることが窺える。よって、今後、一般の方が評価するFGSも対象とした調査が進み、誰にでも実践できて信頼性の高いFGSが完成することに期待している。

回答者の86%は女性だったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36649089/


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