一般的には共通言語が無いとされている犬や猫が人間の言葉を理解しているような様子が、たびたび各種メディアのニュースやバラエティで取り上げられることがある。それを見るにつけ、疑問に思うことがある。果たして、彼は人間の言葉をどこまで理解・認識しているのだろうか。
冒頭のような背景の中、フランスの大学らは、猫16匹を対象にして、彼らの対猫発話(cat-directed speech、CDS:猫に向けられた特別な発音・発言)の認識レベルを調べる研究を行った。なお、同研究では、①オーナーまたは②オーナーではない見慣れない人間がCDSを遣って話しかけ、猫たちの反応を観察する形式が採用されている。すると、彼らは②のCDSと人間どうしの会話(adult-directed speech、ADS、対成人発話)を区別している様子はない一方で、①のCDSとADSは区別して反応している行動が観察できたとのことである。
上記のことから、猫はCDS、つまり自分に話しかけている人間の発言を認識していることが窺える。よって、今後、このCDSを活用して問題行動を減らす方法が考案され、猫の行動学および認知療法(行動療法)が進化を遂げることに期待している。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36280656/