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健康な子猫と成猫の腎臓の超音波検査所見を比較した研究

投稿者:武井 昭紘

アメリカの獣医科大学らの研究によると、子猫のVHSは成猫のそれに比べて高い値を示すという。つまり、両者の臓器の大きさや構造には相違点があると考えられ、広く普及している成猫の各種検査で設定されている参照値をそのまま子猫に当て嵌めることは望ましくないと言えるのだ。

冒頭のような背景の中、ブラジルの大学は、子猫と成猫の腎臓に纏わる数値を超音波検査(Bモード)で測定し、それらを比較する研究を行った。なお、同研究には、臨床上健康で、且つ、年齢が様々な猫48匹が参加している。すると、腎臓の幅、皮質および髄質の厚さ、その厚さの比、容積に統計学的な有意差が認められ、生後10日目までの子猫の腎臓における最小レベルの長径は1.84±0.40cm、短径は1.14±0.17cm、幅は1.25±0.20cm、容積は1.47±0.68mLの範囲に収まることが分かったという。

上記のことから、子猫と成猫の腎臓に纏わる数値は異なっていることが窺える。よって、今後、子猫の腎臓の超音波検査で利用できる参照値を設定する研究が進み、小動物臨床における画像診断の技術が向上していくことを期待している。

超音波検査で得られる子猫の腎臓に纏わる数値は、彼らの成長とともに増加するとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36062612/


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