爪を失った11歳齢のミニチュア・シュナウザーが韓国の動物病院を訪れた。どうやら、剥がれた爪の基部に腫瘤があったようだ。その腫瘤を組織病理学的に調べる。すると、意外な事実が判明した。本症例は「世界初」の病気を患っていた。
サイトケラチン陽性。ビメンチンおよびイオン化カルシウム結合アダプター分子1陰性。腫瘤を形成する細胞は、扁平上皮を由来としているようであった。つまりは、扁平上皮癌。しかし、特筆すべきことがあった。この腫瘍細胞の細胞質にメラニン色素が存在していたのだ。
症例を報告した韓国の大学および動物病院らは、『爪の基部にメラニン色素を伴う扁平上皮癌が発生した動物の例は初めてだ』と述べる。果たして、当該疾患の挙動は。また、治療に対する反応性に症例の予後は。今後、本症例の経過が追跡され、データが蓄積されていくことに期待している。

症例は不妊メスだとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35577459/