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ヒトの顔が犬の行動に影響を与えているか否かについて調べた研究

投稿者:武井 昭紘

絶対にとは言えないのだが、犬は飼い主の顔に視線を向けて、その表情を観察していることが多いように思う。果たして、あの行動には何の意味があるのだろうか。もし表情が観察できなくなったとしたら、彼らの行動は変容するのだろうか。そこに焦点を当てた研究が発表された。

なお、研究を発表したハンガリーおよびアメリカの研究所らによると、39匹の犬にオーナーの顔が①見える及び②見えないビデオを視聴させると同時に、ビデオ画面の下にそれぞれ等しい報酬(フード)を提供し、その時の行動を観察したという。すると、①と②の視聴順序、①と②が流れるサイド、①または②の近くにあるフードを選択するまでの時間に関わらず、彼らは①に近付いていくことが明らかになったとのことである。

上記のことから、犬はオーナーの表情に何かを感じ、自身の行動をコントロールしていることが窺える。最終的に同じ結果(報酬)だったとしても、表情が分かる方へと誘われる理由とは何であろうか。「飼い主の表情」という刺激に、どのような感情を抱いているのだろうか。今後、その詳細が解析され、犬の行動学が更に発展することを期待している。そして、ヒトと犬の関係性がより親密なものへと進化することを願っている。

個体レベルで行動を分析すると、13匹が研究対象から除外され、残り26匹の約60%が①に近づいたとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34401657/


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