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イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの右の腰部に膿瘍が発生した原因

投稿者:武井 昭紘

体温が高く、呼吸がしづらい様子で、咳もある。おまけに腰の辺りに触れる「しこり」も気になる。このような主訴で、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルが、イギリスはハートフォードシャー州に位置する動物病院を訪れた。どうやら最初に受診をした病院では手に負えなかったらしく、抗生剤療法によって一時的な回復を認めるも、しこりから膿が排出されるようになってしまったという。一体、彼の身に何が起きたのだろうか。

精査のため、胸部および腹部のCT検査が実施された。腰部の筋肉を圧迫する程に大きな膿瘍と瘻管が確認できた。その後の超音波検査で、2つの異物の存在が浮き彫りとなった。それは、何らかの草の種であった。CT検査を見返すと、種は肺を通って、腰の筋肉へと移動していることが示唆された。症例は、異物摘出術の後、消炎剤、鎮痛剤、抗生剤による治療で回復に至った。

つまり、呼吸のトラブルと腰のしこりは関連していたのである。果たして、同様の現象は他の犬にも起こり得るのだろうか。今後、筋肉や皮膚組織の異物摘出によって呼吸トラブルが症例のデータを集める研究が進み、「移動する」原因と予防法、そして、類似した移動現象の早期診断法が議論されることに期待している。

異物は超音波ガイド下でアリゲーター鉗子によって摘出されたとのことです。

 

参考ページ:

www.vettimes.co.uk/news/davies-solves-sublumbar-abscess-mystery/


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