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サル痘に関する注意喚起~ペットを飼育しているヒトに向けた感染対策~

投稿者:武井 昭紘

天然痘ウイルスと属を同じくし、1958年にサルのコロニーから発見されたサル痘ウイルスが拡大している。そして、その拡大する要因は、ヒトの症例が初めて報告されたアフリカ中西部への海外渡航歴を持つ者や、各国に輸入される動物だと言われている。特に、アフリカに生息する齧歯類や霊長類が感染を広めていると目されているのだ(レゼルボアは不詳)。そこで、疑問が浮かんでくる。齧歯類、ウサギは、一般家庭でも飼育されているペットである。彼らにサル痘は感染するのだろうか。また、その感染するリスクを減らすために、取るべき行動とは何であろうか。

冒頭のような背景の中、アメリカ疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)は、ホームページ上に「サル痘に関する注意喚起」を掲載した。それによると、簡単に覆えないほど広がった皮膚病変を有するヒト、病変部から排液しているヒト、呼吸器症状(咳、喉の痛み、鼻水など)があるヒトは、動物(ペット)との接触をさける必要があるという。無論、感染者および介護者におかれては、石鹸やアルコールによる手指の洗浄・消毒も重要だ。加えて、そのような感染者が使用した食器は共有しないことも忘れてはならないとのこと。

天然痘ウイルスワクチンがある以上、新型コロナウイルスのようなパンデミックにはならないと予想されているサル痘。今後、入国者制限を緩和し、外国人の受け入れを見直した日本に、サル痘は入ってくるだろうか。最悪の事態を想定し、自分自身が感染した場合の対策を心得て頂けると幸いである。

プレーリードッグからヒトに感染した例もあるとのことなので、齧歯類、ウサギのみならず、プレーリードッグを飼育している世帯の方も、万が一に備えた感染対策を話し合っておきましょう。

 

参考ページ:

https://www.cdc.gov/poxvirus/monkeypox/clinicians/infection-control-home.html


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