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骨肉腫が発生した犬の四肢を温存する放射線療法の有用性を調べるトライアル

投稿者:武井 昭紘

骨の悪性腫瘍である骨肉腫が愛犬の四肢に発生したオーナーには、ある悩みができる。彼(彼女)の患部を切除、つまり断脚をするかしないかといった大きな悩みが。そして、一部の獣医師は想うのだ。その足を温存する方法は無いものかと。

冒頭のような背景の中、ノースカロライナ州立大学は、温存する手段を模索するトライアルを進めている。具体的には、レントゲン検査で橈骨、大腿骨(遠位)、脛骨(近位)に原発性骨肉腫を認め、且つ、肺転移が無い症例を対象にして、放射線療法の効果を高める新しい薬剤の有用性を検証するという。また、期間は1年間、トライアルで実施予定の検査・治療は無料で受けられるとのことだ。

「断脚」という言葉には、獣医師である筆者でも強いインパクトを感じる。ならば、おそらく、その断脚の必要性が愛犬に差し迫ったオーナーにしてみれば、想像を絶する程に重たい言葉になるだろう。もしかしたら、恐怖、不安、心配、悲しみなどの感情も伴うかも知れない。そんな彼らに、同トライアルが希望の光を示すことを切に願っている。

本トライアルでは、骨肉腫に対する治療(手術、化学療法など)を受けていない症例を募集しているとのことです。

 

参考ページ:

https://drive.google.com/file/d/1PxRfMeRtKMcvEjXUUHHrde7psvvAB5gb/view


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