攻撃的な行動をとる犬。彼らの起こす問題行動は、彼ら自身の福祉を悪化させるとともに、そのオーナーのQOLを低下させたり精神的負荷を増大させる。そして、診察を担当する獣医師・動物看護師をも危険な目に曝すかも知れない。だからこそ、彼らの攻撃性を高めるファクターを突き止めて、その行動の意味を知って対策を講じることが重要なのである。
そこで、フィンランドのヘルシンキ大学らは、国内で飼育されている純血種9000匹以上(攻撃的な行動をとる犬は約1800匹)を対象にして、攻撃的な行動をとる犬の特徴を解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が攻撃的な行動と関連していることが明らかになったとのことである。
◆犬の攻撃性を高めるファクター◆
・高齢であること
・オスであること
・恐怖を感じていること
・体格が小さいこと
・同居する犬が居ないこと
・初めて犬を飼うこと
上記のことから、オスの小型犬1匹を初めて飼うことが、彼らの問題行動(攻撃的な行動)に悩む可能性を高めると言える。よって、該当する条件で犬を飼い始めたオーナーには、躾やトレーニングに関する知識を身に着けるように(獣医師・動物看護師が)指導することが望ましいと思われる。また、「初めて犬を飼うこと」で生じる強化子(行動を促すイベント)について詳細に分析する研究が計画されることを期待している。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33941802/