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動物が裁判に!?中世では動物にも弁護士がついていた <コラム>

投稿者:AsaT

私たち人は今も昔も動物と関わり共生してきました。動物との共生は約3万年も前からあったとされ、狩猟や番犬としての役割を担ったり、古代エジプトでは人間同様に動物のミイラがたくさん発掘されています。

人と共生する中で愛玩動物としても発展していきますが、中世では人間だけではなく動物も裁判の対象になっていたことをご存知でしょうか?これは罪を犯した物は、人間、動物、無機物であっても、裁かれなければならないというキリスト教の法理があるためです。

こんなにあった動物への裁判
<1120年フランス>
ブドウを栽培している人たちが、被害を受けた毛虫を裁判にかけ、破門判決。

1386年フランス>
赤ちゃんを蹴り殺した
ブタ絞首刑

1474年スイス>
雄鶏が悪魔的で不自然な産卵の罪で裁判にかけられ、裁判所は雄鶏に死刑判決。

1510年スイス
イタリア国境の町で、畑を荒らしたモグラが訴えられた。モグラは裁判に欠席したため(当たり前ですが)追放処分に。しかし、妊娠している母モグラか子モグラに関しては温情判決として14日の猶予期間を与えた。

1621年ドイツ>
牛が女性を押し倒し殺害した罪で裁判にかけられた。裁判所は牛に死刑判決を下した。<

<17世紀フランス>
痒みで人を苦しめた南京虫銃殺刑

<15世紀朝鮮>
李氏朝鮮で人を殺したゾウ島流しになった。李氏朝鮮には死刑がなく、最高の罰則は島流しだった。

<江戸幕府>
日本では犬公方で有名な第四代将軍徳川綱吉がカラスを島流しにした。将軍に糞をひっかけたカラスを捕らえさせ、式根島に流罪された。流人は島内での行動が自由だったため、島に着いたカラスも放されたのち、カラスは江戸の方に飛んでいったとされる。

中世の裁判では、動物にも人の弁護士が付いていたというから驚きです。現代の法理では、動物に抗弁権がなく動物を罰するということは無くなりましたが、動物をめぐる裁判は後を絶ちません。

動物をめぐる裁判
1995年日本>
アマミノクロウサギ等の動物の代理人(自然保護団体)が、森林伐採禁止等の自然保護を求め裁判をおこした。日本の法律では動物が原告にはなれないため、裁判所は訴えを却下された。

2006年アメリカ>
猫が複数の人を傷つけた罪で裁判に。裁判所は猫に接近禁止命令を下し自宅軟禁となった。

人と動物の関係は時代と共に変化してきました。畜産動物、医療研究の目的、ホスピタリティーへの貢献、伴侶動物としてなど、色々な形で私たちと長い歴史を共にしてきました。人と動物間の問題は動物側だけではなく、私達にも火種があることがあり、中世の裁判は人間寄りの考えが強かったと考えられます。現代の私たちは「よりよい共生とは何か?」を常に考えていくことが大切なのではないでしょうか。


参考URL
<Wikipedia 動物裁判>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%95%E7%89%A9%E8%A3%81%E5%88%A4

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動物が裁判に!?中世では動物にも弁護士がついていた <コラム>(写真:PhotoAC>

 

 


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