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イギリスで飼育されている犬に多い病気を統計学的に分析した研究

投稿者:武井 昭紘

新型コロナウイルスによるパンデミックが起きて、おうち時間が増えた。その結果、癒しを求めてペットを飼い始めるヒトが急増しているのだ。つまり、動物の命に責任を持って向き合うヒトが多くなってきているのである。だからこそ、今、改めて彼らの健康を考える時間が必要なのだ。病気をキッカケにして飼育放棄されるペットを増やさないためにも—–。

 

そのような背景の中、王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、犬が直面する最も一般的な健康問題を明らかにする研究を行った。なお、同研究には、大規模な症例データベースVetCompassに登録された800万匹からランダムに抽出された約22000万匹の犬が参加しており、彼らの診療記録が1年間追跡されている。すると、以下に示す事項が明らかになったとのことである。

◆犬が直面する健康問題◆
・65%を超える犬が少なくとも1つの病気になった
・歯科疾患が約13%と最も多かった
・次いで耳の感染症と肥満が並ぶ
・メスよりもオスに起きやすい病気が10個あった
・オスよりもメスに起きやすい病気が4つあった
・若い犬よりも老齢の犬が病気になりやすい

 

これを受け、そして、2月に設定されたPet Dental Health Monthに合わせて、RVCは、オーナーが歯科疾患について知ること、子犬の時から歯科疾患の予防に努めることの重要性を訴える。読者(獣医師・動物看護師)の皆様は、歯科疾患になってしまった犬をどれくらい診察してきただろうか。もし、非常に多いという印象を抱いた方が居るならば、子犬を飼い始めたオーナーにデンタルケアに関する啓蒙をして頂けると幸いである。

メスよりもオスに起きやすい病気、そして、オスよりもメスに起きやすい病気の詳細は、リンク先をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://www.rvc.ac.uk/Media/Default/VetCompass/210119%20Prevalence%20infographic.pdf


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