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ボーダー・コリーの歯牙疾患に関与する遺伝子を見付ける検査

投稿者:武井 昭紘

レイン症候群(Raine’s syndrome)。

それは、石灰化が充分に進まずに歯の硬度が弱くなる現象のことで、疼痛や齲歯の原因となるものである。また、当該疾患は、常染色体劣性遺伝によって幼いボーダー・コリーの歯に影響を与えることが知られている。つまり、彼らの福祉やQOLの向上を考えると、ブリーディングの段階でレイン症候群を制御することが望ましいと言えるのだ。

 

そこで、イギリスのケネルクラブは、同品種を登録する際に、レイン症候群に関する遺伝子検査の結果も記録することを決めた。なお、記録の方法は3段階で、原因遺伝子を持たないクリア、原因遺伝子を1つ持つキャリア、それを2つ(1対)持つアフェクテッドに各個体を振り分けるという。そして、結果はオンラインで公開されるとのことである。

遺伝する病気は、罹患犬が生れてから寿命を迎えるまで、一生涯に付き纏う暗い影になる。無論、その影は、罹患犬を飼育するオーナーの心情や日常生活にも影響を与えるだろう。今回ケネルクラブが新たに追加したレイン症候群の遺伝子検査は、この影を消し去ることができるだろうか。これからの動向に注視するとともに、丈夫な歯を「与えられた」ボーダー・コリーが増えていくことを願っている。

愛犬の歯の健康が保たれることは、オーナーのQOLを向上することにも繋がるのではないでしょうか。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/19963/New-DNA-test-reporting-scheme-for-the-border-collie


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