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コロナ禍で急増する家庭内暴力に対してのサポート体制を整えた獣医グループ

投稿者:武井 昭紘

変異種が発見され、再三の都市封鎖を経験しているイギリスでは、最初のロックダウン中に、家庭内暴力について相談するヘルプラインに寄せられる電話の件数が約50%も増加したという。また、この時期に、家庭内暴力が原因で16名(成人女性14名、子供2名)の命が奪われたとのことである。それを聞くにつけ、筆者は悲しい想いに駆られる。と同時に、心配事が頭に浮かぶ。もしかしたら、ここに現れた数値に、動物病院のスタッフも含まれているかも知れないと。

そのような背景の中、英国内で動物病院の運営を大規模に展開しているIVC Evidensiaグループは、今年の11月、スタッフらが経験する(あるいは近隣で起きる)家庭内暴力の解決に取り組み、その危険性を啓蒙する部署を新設したことを発表した。なお、同部署のサポートは、24時間体制で365日休まず提供されるとのことである。

IVC Evidensiaグループは述べる。『ヒトへの暴力が始まる前に動物たちが被害に遭っているかも知れない』と。つまり、家庭内暴力は、小動物臨床が向き合う社会問題なのだと。この活動によって、一体どれ程のヒト、そしてペットが救われるだろうか。その成功談が続報されるとともに、このようなサポートが世界中へ普及していくことを願っている。

今回紹介したサポート体制は、イギリス国内の動物病院で初めてだとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ivcevidensia.co.uk/News/Vet-Group-Launches-Non-Accidental-Injury-Support


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