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猫における尿蛋白/クレアチニン比と尿スティック検査の結果の一致性に関する研究

投稿者:武井 昭紘

尿試験紙。
それは、院内で迅速に尿性状を把握するために、非常に有用なツールである。しかし、尿サンプルに浸けた試験紙の色調変化を一定の時間内に確認する、この検査には、色を眼で見て判定するが故の主観性の強さ(客観性の乏しさ)が存在している。果たして、その正確性は、どれ程なのか。検証を重ねて、明らかにすることが重要であると思われる。

そこで、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンは、尿試験紙の項目の一つ、「タンパク質」に着目して、尿蛋白/クレアチニン比との一致性について確認する研究を行った。すると、試験紙にてトレース(0.1-0.3g/L)以上のタンパク質が検出された尿サンプルにおける一致性は芳しくなく、感度81%、特異度31%であることが判明したとのことである。

上記のことから、尿試験紙の「タンパク質」は、タンパク尿の有無を判定するための正確性に乏しいことが窺える。よって、タンパク尿を疑う症例では、尿試験紙ではなく、尿蛋白/クレアチニン比の測定を検討することが望ましいと考えられる。

尿比重で尿サンプルをグループ化しても、精度に大きな改善はなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32692434/


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