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新型コロナウイルス感染症の拡大で混乱する世界におけるイベルメクチンの可能性

投稿者:武井 昭紘

イベルメクチン。
マクロライド系の駆虫薬あるいは寄生虫予防薬として広く使われる「この薬剤」を知らない獣医師は、日本に居ないと言って過言ではない。また、国家試験に向けて勉学に励む獣医学部生にも、無論、お馴染みの薬であろう。そのような小動物臨床にとって身近なイベルメクチンが、現在、世界を混乱に陥れている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に有効であるとする研究が報告された。

なお、研究を発表したオーストラリアのモナシュ大学によると、SARS-CoV-2が感染した細胞(Vero/hSLAM 細胞)にイベルメクチンを投与したところ、48時間でウイルスRNAの量を5000分の1までに減少させたとのことである。

同大学は述べる。
イベルメクチンは、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)から認可を受けた駆虫薬であるとともに、様々なウイルスの活性を抑える効果を有する薬剤であると。

果たして、犬のフィラリア予防や外部寄生虫駆除などに汎用されているイベルメクチンは、SARS-CoV-2に苦しみ、その存在に怯える人々の命を繋ぎ留め、世界を救う希望の光となり得るか。今後の動向に注視していきたい。

ヒトの感染者数に比べて、圧倒的に犬の症例が少ないのは、イベルメクチンによるフィラリア予防が功を奏しているのか知れません。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32251768


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