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新型コロナウイルス感染症対策を講じて診療を続けるアメリカの動物病院

投稿者:武井 昭紘

「新型コロナウイルスによるパンデミックの中心地はヨーロッパへと移った。」

 

中国に忖度をしていると揶揄される世界保健機関(World Health Organization、WHO)が、このように発表した3月13日から1週間が経過した。今や、まるでWHOの主張を裏付けるように、中国国内で報告されているもの(約81000人)よりも、世界各地の感染者数の総合計(約128000人)の方が上回っており、その半数以上がヨーロッパで暮らす人々となっている。そして、現在、欧州諸国を追随するかの如く、アメリカにおける感染者数(約7000人)がジワリじわりと増え始めているのだ。

 

このような背景の中、ノースカロライナ州立大学の付属動物病院がある決断を下し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を講じた。なお、同大学によると、COVID-19の蔓延を防ぎ、病院スタッフ、動物、オーナーの安全を確保するために、動物病院で診察する症例に制限をかけ(救急疾患のみを受け付け)、且つ、その患者たちの受け渡しをサービスエリア(駐車場)に限定するというのである。

COVID-19の流行を防ぐには、ヒトとヒトの接触を最少限に抑える。
各国の対応を見ていても、これは、最も効果的な方法なのだと思う。
それを、同大学付属動物病院は体現しようとしているのだ。

 

「とうとう」と言うべきか、「あっという間に」と言うべきか、新型コロナウイルスによる世界の混乱が、小動物臨床へと波及してしまった。この混乱期に、ヒトのみならず、病気で苦しむ動物たちをも救えなくなる医療崩壊が起きないように、1日でも早く、COVID-19の拡大が収束していくことを願うばかりである。

世界各地の動物病院がクラスターにならないことを祈っております。

 

参考ページ:

cvm.ncsu.edu/coronavirus-update-nc-state-veterinary-hospital/


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