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お米由来のタンパク質を猫に給餌してその有用性を評価した研究

投稿者:武井 昭紘

消化器のトラブル、食物不耐性、食物アレルギー。何らかの理由でお腹の調子が悪い動物には、消化効率が良い、あるいは、低アレルゲンのフードを与えることが望ましい。そのため、これらの特徴を持った炭水化物やタンパク質の開発・発見が常に求められているのだ。しかし、キャットフードにおいては、米を由来とするタンパク質(rice protein concentrate、RPC)の使用は充分だとは言えないという。

 

そこで、アメリカの大学およびヒルズ社は、妊娠も授乳もしていない成猫用のフードにRPCを配合し、実際に猫に給餌した時の消化効率を検証する研究を行った。なお、同研究では、RPCの配合を0、7、14、28%の4段階で調整し、それぞれを15日間給餌している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆RPCの消化効率・有用性◆
・RPCの配合割合が高くなるほど摂取量が増加した
・糞便の排泄量に変化はなかった
・糞便スコアは配合割合が高いほど改善していった
・消化効率は配合割合が高くになるにつれ直線的にアップした

 

上記のことから、RPCは猫にとって消化しやすいタンパク質だと考えられる。よって、今後、長期給餌による影響と、消化器トラブルを抱えた猫での有用性が検証され、彼らの食餌を管理する方法(選択肢)が増えることに期待している。

RPCの配合割合によって、フードに含まれる脂肪の消化効率は変化しなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2023.1168659/full


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